手塚治虫 火の鳥 乱世編 ~生きる道は権力の座を争うほかないのだろうか

ほう…よっぽどくやしかったと見えるな 権力争いは冷酷なもんじゃ…

★弁太

「手当ぐらいしてやれよ! 源氏の大将がおいはぎか!」

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力持ちのきこり。
普段は温厚で優しい性格だが、暴れると手がつけられなくなる。
侍に両親を殺され、恋人のおぶうを拉致される。
悲しみと怒りに明け暮れ、五条大橋の上で、侍から刀狩りをしながら、おぶうを捜す。
その後、義経の家来となるが、わがままな義経に素直に従うことができない。
しかし、腐れ縁で義経と運命を共にすることになる。
モデルは弁慶だが、伝説とは違い、まぬけで心優しく、義経には忠実でない。
無意味な争いが嫌いで、侍も嫌い。
ただただ、森で静かに愛する人と暮らしたいと思っている。
 

 ★おぶう

滅びるか生き残るかのこんな瀬戸際に、当のあんたらはまだチータしてんだから!」

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弁太の恋人。
弁太とは両親が再婚同士。血の繋がりがない兄弟である。
侍に拉致された後、気の強さが清盛に愛されて、側室になった。
弁太を恋しがっていたが、清盛にも同情を覚えるようになる。
やがて、没落していく平家と運命を共にすることを選ぶ。
純真な性格で山登りが得意。勇気や決断力、行動力がある。
 

義経

「斬ったからどうだっていうんだ?おれのやりかたにケチをつけるやるやつは、たとえむかしの仲間だろうと許しはしないぞ」

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幼い時に平家に父親を殺され、兄弟と引きさかれる。
鞍馬天狗に育てられ、武芸をきたえる。
平家に強い恨みをもっていて、平家を打ち倒すことが生きがい。
目的の為には手段を選ばず、民衆などを戦火に巻き込むことも、いとわない。
弁太を戦いの渦に無理矢理に引き込んでいく。
 
非情、残忍な性格。武芸は達者で動きは素早い。
知略にも富んでいる。
 

★清盛

「不老不死になりてえんだよっ」

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平家の首領で、強大な権力を持つ。
堕落している平家一族の行く末を、心配している。
突然に遷都を思いつくなど、ひらめきや直感を信じている。
独善的で人の言うことは効かない。
亡くなった妻に似ているおぶうにだけは、唯一こころを許す。
平家一門を守るために、永遠の命を得ようと、火の鳥の血を欲しがっている。
  

★ひょうたんかぶり

「侍はみんなにくいんだ!!いくさでおれをみなしごにしたやつらが全部にくいんだッ」
弁太や義経と共に、天狗のもとで育てられる。
弁太と同様、侍に恨みをもっている。
庶民に横暴な侍たちをこらしめるべく、不良集団をつくる。
 

鞍馬天狗

「居座った権力の座はかならずいずれのっとられるさだめじゃ わしァ そののっとるほうのちからが好きなのじゃよ」

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400年生きているという伝説の男。
鳳凰編の我王である。
鞍馬山にこもり、戦災孤児たちに武芸を教えている。
虫も殺さない。
弁太と義経を引き合わせる。
 

★明雲

「民衆ちゅうものはほんとに苦しく いきられなくなれば だまっていても立ちあがるのじゃ」

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大僧侶、詩人、画家。
僧徒からの信頼が厚く、権力者とのコネクションも持つ。
俊寛からクーデターに協力するように頼まれるが断る。
弁太を主人公とした小説を書こうとしている。
冷静沈着、温厚、機知に富んでいて、世の中を達観している。
 

★ヒノエ

「じゃあなんでいくさがあるだ いくさなんて勝手にサムライがつくったのんでないの」

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奥州平泉の豊年祈願のお祭りで弁太と出会い、半ば強引に押しかけ女房となる。

しかしその実は、盗み癖のある結婚詐欺師。
弁太も身ぐるみはがされ全て盗まれてしまう。
つかまって弁太のもとに連れ出されるが、弁太は同情して許す。
改心したヒノエは弁太と結ばれる。