手塚治虫 火の鳥 望郷篇 ～地球を懐かしく想う

「やっぱり地球人にとっちゃ地球は…忘れられないふるさとってわけだ」

★ロミ

「ええ　ひとりになるとむしょうに地球がなつかしいの　このロケットがとびさえすればと思うと…つい…泣いてしまうのよ」

日本のある小さい島の出身。

自然あふれる田舎で育った。本土から来た大学の研修生、丈二と恋に落ちる。

その島を開発する計画を知り、予算10億円を盗んで宇宙へ逃げる。

二人は宇宙不動産から格安である星を買う。

しかし、そこは水もない干からびた廃墟のような星だった。

 その後、たくさんの苦労を重ね星を発展させる。

ロミは星の象徴として女王に君臨。

繁栄を見守ってきたが、やがて激しい地球への望郷に襲われる。

そして子孫の一人、コムと共に地球へ帰る旅に出る。

自然を愛する、たくましく優しい女性。

  

★コム

「女王さま…好きだったんだ　ぼく　この人が大好きだった　宇宙の宝物の全部より好きだった」

エデン17の子孫。

ムーピーと地球人との混血児。

岩の宇宙船を念力であやつり、地球へと向かう。

素直で心優しい性格。

ロミの地球へ帰りたいという願いを、かなえるべく奮闘する。

 

★牧村

「あんたに百三十年前にであっていれば　まず第一におれはあんたにプロポーズしたろうよ　そしたらおれの運命もかわってたかもしれない」

アストロノーツ（地球連絡員）。

冷凍睡眠をくり返し、地球と他の星を行ったり来たりしている。

自分の宇宙船をなくしてしまい、ロミの船に同乗することになる。

ロミを好きになり、地球へ帰してあげようと協力する。

長い旅を続けているので、様々な星の生態に詳しい。

宇宙を旅する孤独な職業のため、恋人や友人を作ることができない。

どこか達観していて冷めた性格。

 

★ズダーバン

「この町は清潔で素朴すぎますテ…悪のにおいがちっとも感じられんわい　文明国として　ごく必要なのは悪徳というやつです」

宇宙商人。

ねずみの化け物のような姿だが、地球人の血が1/8入っている。

エデナの星で、武器や麻薬を持ちこみ、悪どい商売をはじめる。