幼馴染で親友のシチリア王とボヘミア王。ボヘミア王がシチリアの地に長期滞在中、シチリア王は自分の妻とボヘミア王の仲を疑い、嫉妬と疑念を募らせてしまう。結果として友情を失い、妻と息子の命を失い、生まれたばかりの娘も失い、シチリア王は絶望と後悔の念にかられることとなる。16年後、ボヘミアの地で、羊飼いの娘と、ボヘミアの王子が恋に落ちることから、再生の物語が始まる。
二部構成になっており、1部が崩壊の物語、2部が再生の物語になっている。人を疑うことから人を信じることへのお話ともいえるのではないか。
以下、気になったセリフ。
ボヘミア王のポリクシニーズがシチリア王の妻、ハーマイオニに少年時代を語るセリフ。二人の王のみずみずしく、毎日が無我夢中で、純粋な心の少年時代が描写されている。
これも二人の純真さをあらわした言葉。
シチリアの王妃、ハーマイオニの高貴だが、ユーモアもある明るい性格が見受けられる。
妻の不貞を疑うこころが芽生えだしたシチリア王の言葉。まだ、このころは自分を客観視し正気を保っている気がする。
格言
『時』を登場させる天才的な発想。この『時』をどんなビジュアルにするかは演出家のセンスが問われるだろうなあ。
身分の違いという弊害をお互いに認識し、それがあるからこそ、目を背けるように恋に没頭したいという願望。欲望の塊の人物が言ったセリフではないからこそ、意味がある。
珠玉の名言
全体的に何かグリム童話を長編の大河ドラマにした印象だった。