『お金の減らし方』
刺激的なタイトルである
増やし方じゃなく減らし方
結局、この本が何を問いているかというと、お金の使い方である
何にお金を使うか?
そこが大切ですよ、と
著者は常に収入の2割は好きなことに使うと、決めているそうだ
僕たち、ほとんどの庶民は常々お金のことについて悩んでいる
あれが欲しい、あれが必要だ、これも必要だ
何かあったらどうしよう、貯えも必要だ、と
その必要なものは本当に必要なものですか
その欲しいものは本当に欲しいものですか
と問いかける
自慢したいやら、うらやましいから
そんな気持ちで欲しいと思っていませんか、と問いかける
無人島に行ってもそれが欲しいですか
そして本当に欲しいものには惜しみなくお金を使いなさい、という
お金は貯める為でなく、使うためにある
ただ、それは本当に欲しいものの為にだ
著者のこどもの頃からの夢
庭に鉄道を走らせること
その為にお金を貯めていたそうだ
他にも、模型や、ポルシェ、本当に好きなものにお金を使う
服や食べ物には興味がなく、殆どお金を使わない
そして、買ったものを売ることはない
それは本当に欲しいものだったから
お金というものは価値の交換システムそのものであり、その時のその人の欲求の大きさが価値となり、値段になる
売り手の値段が自分の欲求より高ければ、買わないし、安ければ買う
安いから買っちゃった!は本末転倒なのだ
よくよく考えたらそれは本当に欲しかったのか?となる
ふわりとした気持ちで買ったものは結局、捨てるか、売るかになってしまう
『すべては、有意義にお金を減らすためである そのために、一旦はお金を増やす必要がある 人によってその金額はさまざまだ。そこは自分の欲求をよく観察し、見誤らないように…』
お金持ちになりたい人は多い
でも、そのお金を何に使いたいの?お金を稼ぐこと、貯めることだけが目的になっていない?と著者はくりかえし問いている
また、必要なものと、欲しいものは別だよ、という問いかけも新鮮だった
必要なものを我慢して、本当に欲しいものをを優先しなさい、と
それが自分を豊かにする
著者は、工学博士であり、小説家。小説を書くのはあくまでお金を稼ぐ手段であり、そんなに好きではないそうだ
アルバイト感覚で書いた処女作が、たまたま出版社の目に留まり、とんとん拍子でデビュー
小説家になった
お金の減らし方
本当の自分にとっての価値のあるもの
改めて自分に問い直そうと思った