『自分の時間』 著者、アーノルド、ベネット  ~時間を意識せよ

1日の24時間を、はたしてどう使うか。

改めて考えてみよう、という本である。

how to 本であるが、エッセイ風でもあり、お茶でも飲みながら気楽に読める。

 

時間に追われているビジネスパーソンや子育てに追われている方たち、時間が足りないな、と感じている方にお薦めする。
また、暇で暇で仕方がない人。
そもそも何をしたらいいのか分からないという人。
そういう人の琴線にもふれるかもしれない。
 
時間だけはどんな人にも平等に与えられている。
お金持ちにも貧乏人にも、若者にもお年寄りにも。
時間があればお金は稼げるが、お金で時間を買うことはできない。
時間が人間に取って最大の資源である、とベネットはいう。
 
だから、自分の貴重な時間をいかに過ごすか、を真剣に考えなくてはいけない
そうでないと、いざ死の間際に後悔することになる。
時間をいかに有効に使うかで、人生の質が決まっていく。
 
とはいえ、睡眠時間や仕事の時間、子育て、家事の時間というのは、どうしても省くことが出来ない。
好きな事を仕事に出来ているのは、限られた人間だけである。
普通の人で、充実した仕事の時間を過ごしている人は少ない。
 
職業としての仕事以外に何かをやりたい」という欲求は、ある程度、精神的に成熟した人たちに共通する。
と著者は言う。
の欲求を満たすための努力をしないと、常に空虚感を感じてしまう。
 
具体的に、時間の作り方も示してくれている。
朝、夕の通勤時間。
また帰宅したあと、寝るまでの週3日の90分。
毎日じゃなくても少しづつ、より知的な自分の為の時間を作りなさい、という。
かといって、始めから大きな変化を求めるのは、よくないそうだ。
「いいことをやるんだ」という意気込みは、人を誤らせやすい危険なものである。
と現実的なアドバイスもくれる。
真剣に、程々にと。
 
著者はイギリスを代表する作家、アーノルド、ベネット。
20世紀英国小説の最高傑作とわれる『二人の女の物語』を書いている。
小説の他にも、この本のような自己啓発的な本も書いている。
贅沢を愛し、人生を謳歌した人のようである。
 
  作家として膨大な本を読んでインプットし、多くの作品を残してアウトプットし続けた。
何よりも時間の大切さを痛感していたのだろう。
さすが20世紀を代表する作家という名台詞。  
『朝目覚める。するとあなたの財布には、まっさらな24時間がぎっしりとつまっている』