「自分の直感を信じよ」
著者 キャヴィン・ディ・ベッカー
暴力問題の専門家。
国際的なスターや企業や司法機関に助言をする、と同時にドメスティックバイオレンスやスト ーキングに悩む一般市民の相談にものっている。
O・ Jシンプソン事件をはじめ、 数々の重大事件の裁判で、専門家の立場から検察に助言。
議会でも、暴力犯罪を防止する新しい法律の制定に協力している。
『THE GIFT OF FEAR (恐怖の贈り物)』
人間は誤った知識や思い込みにより、直感を見逃しているだけだ。
太古の昔、過酷な自然環境のなか生きのび、 既にそういった能力が備わっている、と説く。
便利な暮らしや必要なことは、専門家に聞けばよい、といった風潮。
その直感を感じ取り、冷静に対処することが大事だそうだ。
あまり意味のない不安に捕らわれることも、直感を妨げる原因になる。
『不安は確信のもてない予測によって引き起こされる』
その不安がどこからくるのか、という冷静な分析が必要なのだろう。
原題は『THE GIFT OF FEAR (恐怖の贈り物)』。
恐怖を忌むべきものではなく、 危険を知らせてくれる直感の使者として、ありがたい『贈り物』 として受けとりなさい、という作者のメッセージがある。
そして、今、この瞬間の感覚を信じる。
『 起こるかもしれないことではなく、 起こっていることを知覚するのが大事なのだ』と語る。
感想
直感を冷静に分析すること、直感に気付くためには今を大事にすることが必要なのだと学んだ。
著者が刑務所での社会学校での公演に行き、 受刑者のひとりに尋ねられる。
「 同じ環境にいたはずなのに俺とお前の違いは何か」と。
最近読んだアドラーの本の、『 全ての選択は自分自身でしている』という言葉がリンクした。