ある男

ある男のつぶやき
くそ面白くもない世の中。結局、声のうるさいやつの意見が通る。か細い、気の聞いた意見など通らない。間違っていても、狂っていても、大声で叫ぶやつのいうことは聞かれる。

結局、皆、自分が認められたいだけ。一目置かれたい。凄いと思われたい。凄いのに謙虚な人、なんて思われたい。天才と思われたい。徳のある人と思われたい。称賛されたいのだろう。誰にも彼にも。その為に努力もするし、泥水だってすする。偽善もするし、弁舌だってふるう。認められたい。価値が欲しいのだろう。その評価がお金だったり名誉だったりする。

権力。結局は皆マウントをとりたいのだろう。僕らはチンパンジーと根っこのところは変わらない、すぐにヒエラルキーを作りたがる。そう、最も素晴らしい人は、この世の価値観に動じない人。誰彼の評価ではなく、自分で自分自身の価値を認める人。そこに一切の他者の媒介は許さない。他者に誉められようが、けなさらようが構わない。己の価値は己で決める。そんな誇り高い人物なんだ。そこには法律も倫理も何の価値も持たない。