『日本会議の正体』 青木理著

日本会議の成り立ちや基本的な思想を、やや批判的な目で伝えてくれる。
ただ闇雲に批判するのではなく、日本会議の人達の主張もきちんと伝えている。

思想の母体は生長の家創始者谷口雅春。そして神社本庁

明治憲法の復活等、過激な思想を持っている人もいるが、皆がそういう訳ではないらしい。
ただ、現状の憲法を改正するという方向性は同じようだ。どうしても、保守の人達の考え方には、現在の日本国憲法をGHQから押し付けられたという観念があるようだ。
色々な思想があるのは結構だ、と思うが、国民主権を変えるとか、軍国主義に変えるとかは、絶対にやめて欲しい。天皇陛下もそれは望んでいないと思う。
そもそも2000年以上も続く世界に誇る天皇家とか、神話と結びついちゃって無茶苦茶。それ、弥生時代だろうと。アジアの植民地を解放するための聖戦だったとか、ハチャメチャな歴史観。過度な自虐史観も良くないが、もう少し、冷静に秦さんとか、半藤さんの歴史書を読んで欲しい。でも、勉強めんどくさい右よりの人には心地よい思想なんだろうな、と思う。
宗教団体としてなら良いかと思うが、国家と結び付いては絶対ダメ。
別に今の憲法で育った僕らも、普通に日本を好きですけど、何か?と言いたい。
それは天皇陛下に対してだけでなく、この国の自然、文化、人となり、日本すべてに対してだ。

あと、愛という言葉は国に対しては重すぎる。それは、人類や生命のもっと大きい枠、もしくは親や妻や子供、などの特定の人に向ける言葉だと思う。

今の安部内閣憲法を変える、とにかく変える、ということが先行し過ぎて、内容の吟味が足りない。憲法を主体として他の法律も決まって来るのだから、憲法を変えるというのは相当なこと。集団的自衛権の行使容認を決めた今、憲法を変える必要性は、全くないと思う。結局、自分たちで憲法を作りました、と言いたいだけではないだろうか。

我々は戦争を体験していない。ただ、過去の歴史をきちんと勉強し、現在と未来に活かさないといけない。僕はもうホモサピエンス同士の殺し合いはゴメンだ。国を守るとか考え方が古すぎる。もうホモサピエンスがこの地球上で自然環境を守り、そして宇宙へと、どう共存していくかを考える時代だろう。