2020-11-26から1日間の記事一覧

高瀬船 森鴎外著

高校生の時に読んで以来、2回目。 喜助という30前後の罪人を正兵衛と言う男が船頭となって、高瀬川を下り、島まで護送しながらその身の上話を聞くというストーリー。 喜助は大変貧しく育ち、弟と二人肩を寄せ合い生きていた。 しかし、弟が重い病気を患い、…

山椒大夫 森鴎外著

父に会いに行く旅の途中に人買いにさらわれ、母と生き別れ、奴隷にさせられた姉、安寿と弟、厨子王の物語。 安寿は厨子王を逃がし、見届けた後、自ら命を絶つ。 厨子王は逃亡に成功して出世し、母との再会を果たす。 なかなかに悲しい話だ。 特に人買いに巧…

最後の一句 森鴎外著

横領の罪で斬罪にさせられることになった太郎兵衛。 父の命を救う為に、16歳の長女いちが自分と妹、弟達の命と引き換えに、父の斬罪を取り下げるよう奉行所に懇願する話。 西町奉行の佐佐は前任者から引き継いだ、この案件の処刑手続きが終わり、ほっと重荷…

漁港の肉子ちゃん 西加奈子著

ああ、何といえばいいだろう。とにかく、僕はこの作家、西さんが好きだ。 たぶん、ずっと一緒にいていたいぐらい好き。 何か理屈で説明できないぐらい好きな作家だ。 あえて、突き放した目で見てみれば、別に文章が特別うまいわけでもなく、美しい文体という…

『進化しすぎた脳』池谷裕二著

テレビでもお馴染みの薬学博士の池谷先生がニューヨークの高校生を相手に脳の講義を行った時の内容をまとめた本。4回の講義に分けられ、素人にも分かりやすく脳のメカニズムや不思議さを教えてくれる。 特に印象に残った点を列挙してみる。 脳の機能は局在化…

『脳には妙なクセがある』池谷裕二著

脳研究者で薬学博士でもある池谷先生の、脳についての面白本。 先生は「生きる意味を考えるプロセスが生きる意味」と考えているそうだ。そして、どうせならその探求をどうせなら楽しく笑顔で問い続けたいと願っている。 この本はそんな思いから生まれたそう…

『すぐやる脳のつくり方』茂木健一郎著

行動する事の大事さ。 そのためには考え過ぎない。脳の抑制をやめる。とにかくやってみる。 自分自身が決めた決まりには脳はストレスを感じない。 だから、自分自身の脳に負荷をかけてみるのは良いことだそうだ。 時間の制限や、無茶ぶりなど。色々なタスク…

『幸福論』 アラン著

(1いらだつこと、より) ほんとうの体操というのは、ギリシャ人のよく知るとおり、正しい理性によってからだの動きを支配することである。 アランは脳と体の相関関係を指摘している。いらだちや怒りなどの情念は体の不具合からくることがあるから、冷静に…